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Perplexity Computer は、タスクを割り当てて任せておけるクラウドエージェントです。2026年2月のローンチ以降、アクセス条件、クレジットの管理方法、実行前に与えられる制御範囲が更新され、多くの初期レビューは現状に合わなくなっています。
私は8つのAIコーディングツールに対して、固定のプロンプトと可視化されたクレジット残高を用いた並列リサーチのワークフローをテストしました。その結果、価格、制約、プラン選択を総合的に判断できる材料が得られました。
Perplexity Computer とは?どのように動作する?
Computer は Perplexity のクラウドベースのエージェント製品です。デバイスではなく、Perplexity Ask とも別物です。Ask は回答を返しますが、Computer は行動します。ウェブを閲覧し、ドキュメントやスライドを生成し、サンドボックスでコードを実行し、数百のコネクタにアクセスし、それらの手順を連鎖させて成果物に仕上げます。
ローカルでMac上で動く Personal Computer という別製品もあります。2026年4月中旬にローンチし、Max から Pro へ順次展開中です。本レビューはクラウド版の Computer についてです。

Perplexity Web の Computer タスクコンポーザー。画像:著者作成。
アーキテクチャはコスト構造に直結します。Computer はまず計画を立て、分離されたクラウドサンドボックス内の専門サブエージェントへ手順を振り分けます。2026年5月4日のアップデート時点では、GPT-5.5 が Pro および Max サブスクライバー向けのデフォルトオーケストレーターです。ローンチ当初のClaude Opus 4.6 をデフォルトとする記述はすでに古い情報です。
リサーチタスクにおける「並列実行」は、Computer の検索と作業分割の方法を指します。1つのリサーチ用サブエージェントは、ウェブ、学術、人物、画像、動画、ショッピング、ソーシャルの7種類の検索を同時に走らせ、抜粋ではなくソース全文を読み込みます。1つのタスク内で複数サブエージェントが同時稼働することもあります。Max ユーザー向けには、Model Council が、見解の相違が重要な質問に対して別モデルでのクロスチェックを追加します。
本レビューに関係する後発の追加点が2つあります。長時間タスク前のプランプレビューと、実行中のコストのライブトラッキングです。これらの制御により、実行後ではなく進行中にコストを把握できました。
通常の Perplexity Ask の検索と Deep Research はクレジットを消費しません。Computer のタスクは消費します。
Perplexity Computer の価格:Pro、Max、クレジットの仕組み
Computer の課金は、定額のサブスクリプションプランと、実行中にエージェントが消費する別建てのクレジット残高の2本立てです。両方を合わせて見ないと、実質コストの判断が難しくなります。
以下は2026年5月初旬時点の一般消費者向けおよびエンタープライズ向けの価格です。地域、プラン、プロモーションにより価格やクレジット規定は変動しうるため、申し込み当日に必ず確認してください。
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プラン |
月額価格 |
Computer 利用可否 |
月間付与クレジット |
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Free |
$0 |
不可 |
なし |
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Pro |
月額$20、年額$200 |
可(2026年3月13日以降) |
付与なし。別途クレジット購入が必要 |
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Max |
月額$200、年額$2,000 |
可 |
10,000 |
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Enterprise Pro |
1席あたり月額$40 |
可 |
1席あたり500 |
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Enterprise Max |
1席あたり月額$325 |
可 |
1席あたり15,000 |
よく見落とされるポイントが2つあります。Pro はアクセス権は得られますが、月間の Computer クレジットは付与されません。そのため、クレジット購入や自動補充が必要です。Max は月間10,000クレジットが付与され、さらに有料の Pro/Max 新規申込に対する一時的なボーナスクレジットが現状ではあります。詳細は公式ヘルプセンターのクレジット解説ページを参照してください。ボーナスは変更・失効しうるため、恒久的なものとは見なさないでください。
クレジット消費はタスクにより異なり、Perplexity はタスク別の料金表を公開していません。単純な作業は数十クレジット、リサーチ中心のタスクは数百〜数千、失敗したコーディングループでは1万を超える例もあります。自動補充はデフォルトでオフ、月間クレジットは繰り越し不可、残高切れの際は進行中のタスクが一時停止します。
並列実行の検証:現実的なリサーチワークフロー
実際に行ったテストはこうです。Computer に対し、8つのAIコーディングツールを並列で調査し、各ツールについて同じ項目を収集し、矛盾を指摘し、比較表と短いメモにまとめるよう依頼しました。オープンエンドなコーディング作業に逸れてクレジット管理が難しくならないよう、並列リサーチを試せる事例として選びました。
プロンプトの前に、いくつか前提条件を整える必要があります。
前提条件とアカウント設定
本テストは、クレジット枠のある Max で実施しました。先述のとおり、Pro ユーザーでもクレジットを購入すれば同じワークフローを実行できます。リサーチのみのタスクであれば特別なコネクタは不要です。必要なのは以下の通りです。
- Computer にアクセスできる有効な Perplexity サブスクリプション(Pro または Max)
- 実行を賄える十分なクレジット残高(改稿の余裕を見て理想は1,500クレジット以上)
- Computer の解釈に任せず、実行前にターゲットの明確なリストを用意しておくこと
Webのホーム画面、iOS の Computer タブ、Mac の Perplexity デスクトップアプリから、Computer パネルを開けます。
並列実行を引き起こすプロンプトの書き方
プロンプト設計は重要です。Computer は指示をサブエージェントの作業に変換するため、曖昧なプロンプトは曖昧な実行を招きます。以下のプロンプトでは、ターゲット、項目、引用ルール、メモの読者、停止ポイントを明確に固定しています。
Research the following 8 AI coding tools in parallel: GitHub Copilot, Cursor,
Claude Code, Windsurf, Aider, Continue.dev, Tabnine, and Cody.
For each tool, collect the same fields:
Pricing for individual paid plansCore features, with a focus on agent behaviorMain use casesTwo main limitationsOne notable update from the past 90 daysA primary source link for every important claim
Then:
Build a single normalized comparison tableFlag any field where two of your sources contradict each otherWrite a 200-word recommendation memo for a senior backend engineer who already pays for one AI coding tool and is considering whether to switch
Before producing the final memo, show the plan, the list of sources you intend to cite, and your credit estimate, then wait for my approval.
特に重要なのは2点です。プランプレビューにより、クレジット消費前にスコープを絞り込めます。「矛盾を指摘」の一文は、意見の相違を一つの回答に押しつぶすのではなく、表出させるよう促します。
プランプレビューとライブクレジットでワークフローを実行する
プロンプト送信後、Computer は8つの対象ツール、想定ソース、作業順序、おおよそのクレジット見積もりを記した計画を提示して一時停止しました。承認すると並列リサーチが開始され、スレッド内でライブのクレジットカウンターが加算を始めます。このカウンターは、2026年3月27日のアップデートで追加され、私が最も注視した数値になりました。

実行承認前のプランプレビュー。画像:著者作成。
サブエージェントは8つのツールを横断して同時に稼働しました。アクティビティパネルには、どのサイトを読んでいるかの短い注記付きで進行状況が表示されました。あるサブエージェントは実行途中で、ある企業のオープンソースCLIを別製品として数えるべきかを質問して一時停止しました。この種の割り込みは重要です。というのも、初期レビューでは Computer をブラックボックスだと評する声が多かったためです。2026年4月17日のアップデート以降は、単一のサブエージェントを停止したり、タスク途中に追加入力することができます。
全体の実行は7分59秒で、225.71クレジットを消費しました。この数値は人によって一致しません。エージェントの実行は非決定的で、同じプロンプトでも分解やモデル割り当て、出力が毎回少しずつ異なるためです。動画やデモの収録では、本番前に試運転を行ってください。
出力の正確性と整備に要した時間のレビュー
出力は、要求した項目で8つのツールを網羅したMarkdownの比較表で、セル内にインライン引用が付いていました。矛盾・不足の一覧表と短い推奨メモも含まれていました。Computer は3月27日のアップデート以降、デフォルトでMarkdown下書きを行い、必要に応じてPDFやDOCXでのエクスポートも可能です。
私は実行前に作成しておいたチェックリストに照らして出力を採点しました。
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カテゴリ |
評価 |
注記 |
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重要な事実の正確性 |
ばらつきあり |
価格や機能に関する一部の主張は、引用された一次情報での照合が必要だった |
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ソースの質 |
合格 |
アグリゲーターブログではなく、一次ドキュメントや料金ページを引用 |
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構成 |
合格 |
正規化された表は組み直し不要。列順もプロンプトどおり |
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矛盾対応 |
合格 |
ソース間の不一致を指摘し、その内容を明確に記述 |
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整備に要した時間 |
ばらつきあり |
編集に約30分。ほぼすべてを推奨メモに費やした |
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クレジット使用 |
ばらつきあり |
実行で225.71クレジット。ただし事前見積もりは依然として難しい |
整備の内訳は明確でした。表はほぼ掲載可能な水準でした。一方で推奨メモは、逃げの表現が目立ち、表の証拠と一致しない文がいくつかありました。必要なのはデータというよりメモの丁寧な人手チェックです。出力は「新人アナリストの初稿」と捉えるのがよいでしょう。有用で概ね正しい一方、手を離れる前に一読の価値がある、という水準です。
Perplexity Computer の適用領域
結果は、ローンチ以降の他のテスターの報告と一致します。用途は限定的です。
- 正規化された出力を伴う並列リサーチ。同時7種の検索と全文読解を、構造化出力としてまとめる用途では、本テストで最も整備の手間が少なく済みました。
- コストの可視化と途中制御。本テストでは、これらの制御により、プロンプト全体を繰り返すことなく実行を監督できました。
- コンテキスト圧縮とモデルルーティング。エージェントは長いタスクでも一貫したスレッド状態を保持し、ルーティングロジックやコネクタ配線ファイルの維持は不要です。
- 出力の可搬性。Computer はMarkdownで下書きし、必要に応じてPDF/DOCXにエクスポートできます。
主張をリサーチと統合の範囲を越えては広げません。コーディングは慎重に進めたい分野です。
Perplexity Computer の制約:弱点
いくつかの制約は現実的で、ローンチ以降に変動した点もあります。テストで特に影響したのは次の通りです。
コネクタの信頼性は不均一で変化が速い。2026年初頭のテストでは、Vercel のOAuth期限切れ、Ahrefs データの浅さ、GitHub で個人用アクセストークンによる手動回避などが報告されました。3月27日のアップデートでは Vercel コネクタの追加、Box コネクタの改善、パフォーマンスに関する一般的な注記が行われましたが、過去の問題が解消されたと断定はできません。依存するコネクタは、本番前に低リスクのタスクで試験してください。

テスト実行後のクレジット使用状況。画像:著者作成。
コーディングのワークフローはコストリスクが最も高い。クラウド版 Computer には依然としてライブプレビューやホットリロードがなく、進行中の可視性も限定的です。前述の Mac 製品はローカルアクセスを追加し、 *.pplx.app での公開により本番前に確認できるものの、クラウド版 Computer をタイトなコーディングループに変えるには至りません。
クレジット消費は、実行前の予測が依然として難しい。テストで用いた制御により実行中の不確実性は減りますが、多数のサブエージェントを伴う広範なタスクは変動が大きいままです。
再現性は限定的。同じプロンプトでもサブエージェントの計画や出力が変わります。クレジット消費も実行ごとに変動するため、収録前には必ず試運転を行ってください。
プライバシー設定は、規制産業のチームや機密ワークフローでは特に留意が必要です。エンタープライズアカウントは学習への利用がデフォルトで除外されています。一般消費者向けの Pro と Max では、アカウント設定でオプトアウトが必要です。
ユーザータイプ別のプラン選択
答えは、与える作業の内容と頻度、開始プラン、クレジット上限の管理の厳格さに依存します。
以下はユーザータイプ別の内訳です。
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ユーザータイプ |
推奨 |
理由 |
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アナリスト/リサーチャー |
高頻度なら Max |
並列リサーチが主用途。月間付与クレジットで定常利用を賄える可能性 |
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テクニカルライター |
Pro で試用(注意付き) |
範囲を絞ったリサーチと要約は、オープンエンド作業より製品特性に合致 |
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本番アプリを開発する開発者 |
いずれのプランでも高リスク |
コーディングのフィードバックループが依然として間接的 |
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カジュアルユーザー |
Max の正当化は難しい |
月額$200は、元を取るには実作業のボリュームが必要 |
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規制産業のチーム |
Enterprise Pro か Max を評価 |
監査ログ、学習不使用の保証、ネットワークファイアウォール、管理者向けコネクタ制御を追加 |
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コンテンツ制作者/ストラテジスト |
まず Pro で試用 |
競合調査や構造化レポートは、出力の整備が比較的少なく済む |
1回だけComputer を試したいだけなら、少額クレジットを購入した Pro が低リスクの出発点です。週に複数の範囲が限られたリサーチを走らせるなら、Max は固定の月間クレジット枠を提供します。
境界を定めた Computer ワークフローのルール
これらのルールはテスト実行から得られたものです。
まず月間の支出上限を設定してください。初期実行では既定の$200上限を下げておくと、タスクが暴走した場合の被害を抑えられます。エージェントを必要としない作業はPerplexity Askを使ってください。プランプレビューを必須にし、実行前に承認または修正します。
プロンプトは狭く保ち、ターゲットリストを固定し、重要な主張には必ず出典を求めてください。長時間の実行では、テストで用いたのと同じコストカウンターを監視します。計画より速いペースで増える場合は実行を止め、どこで停滞したのかを Computer に尋ねてください。私の実行では、推奨メモの方が表よりもチェックが必要でした。収録する場合は、サンドボックス化したアカウントとマスク済みのコネクタを使ってください。実アカウントのデータはスクリーンショットに漏れやすいです。
総括
Computer は、固定リスト、スキーマ、出典ルール、停止条件が明確なタスクで最も力を発揮します。オープンエンドにすると、すぐに割高に感じられます。
今回のテストでは、表の編集量はメモより少なく、ランニングコストは予想以上に重要でした。繰り返しの境界付きリサーチには、Max の方がクレジット管理が簡単です。試用目的なら、Pro に少額クレジット購入が低コミットの道です。コーディングに関しては、引き続き慎重を勧めます。
エージェントパターン自体の背景については、Developing LLM Applications with LangChain コースで、チェーン、ツール、エージェントをPythonで扱う方法を解説しています。
FAQs
Pro ユーザーはクレジットを支払わずに Perplexity Computer を使えますか?
ボーナスクレジットが残っている場合のみ可能です。より安全なのはプランページではなく、タスク開始前にアカウントの Credits ページで残高を確認することです。残高が少ない場合は、最初の実行はスコープを狭くし、通常タスクのコスト感が掴めるまで自動補充をオフにしてください。
典型的なリサーチタスクのクレジットコストはいくらですか?
「典型値」として提示できる数字はありません。より良いアプローチは、小規模版で先に実行することです。ターゲットを減らし、最終メモを外し、比較表の作成で強制停止します。そうすれば、本番のワークフローに踏み切る前にクレジットの目安が得られます。
Perplexity Computer と Personal Computer の違いは?
作業が Perplexity のクラウドサンドボックス内で完結するなら Computer を使います。タスクがMac上のファイル、アプリ、ブラウザセッションに依存するなら Personal Computer が重要です。Windows や Linux の場合、現時点では Personal Computer は利用不可と考えてください。
実行途中でクレジットが尽きるとどうなりますか?
タスクは一時停止します。作業が失われない点では良いものの、フローは中断されます。クレジットを追加する前に、直近のエージェントの更新内容を読み、タスクが計画どおりかを判断してください。ループに陥っている場合、クレジットを足してもループが続くだけです。
Computer のリサーチ出力は検証なしで信頼できますか?
いいえ。そのまま鵜呑みにはしないでください。まずは陳腐化しやすいセル(価格、プラン制限、ローンチ日、「直近の更新」の記述)から確認するのが賢明です。文体を整えるのはその後です。価格が1つでも古いと、体裁が良くても内容は誤りになります。